神城志国は数日間様子を見ていたが、神城連真が毎晩だけ病室に付き添いに来ることに気づいた。彼は当然、神城連真に自分の存在を知られるわけにはいかない。昼間の看護師は午後になると時々席を外すので、その隙に病室に行くことにした。
相変わらず変装して、神城志国はついに外出した。
恐る恐る進み、ようやく病室に到着した。彼は今、白衣を着ていて、それらしく見えた。
看護師はこの白衣姿の彼を見て安心し、その場を離れた。
神城志国は今、神城家の大爺様のベッドの横に立ち、「この老いぼれ、顔向けできないだろう。今の状況になったのは完全にお前の自業自得だ。他人のせいにはできないぞ!」
彼は再び周囲に人がいないことを確認してから戻り、続けて言った。「この老いぼれ、死人だけが秘密を漏らさないんだ!恨むなよ!」
彼は恐怖に震えながら人工呼吸器を外した。
心電図はすぐに一直線になり、耳障りな音を発した。
「何をしているの?」
霧島咲姫はちょうど入ってきたところで、この光景を目にした。
「なぜあなたが...神城志国!あなたがお爺ちゃんを階段から突き落としたの?」霧島咲姫は変装した神城志国がここにいるのを見て、すぐに全てを理解した。
「そうだとしたらどうする?どう、冤罪を着せられる気分はどうだ?」神城志国は嘲笑した。
霧島咲姫は今、両手を握りしめ、素早く前に出て人工呼吸器を再び接続しようとした。
ベッドの上の人は微動だにせず、何が起きているのか全く分からない様子だった。
神城志国と彼女は今、人工呼吸器を奪い合っていた。
霧島咲姫は力が弱すぎて、すぐに床に押し倒された。
「霧島咲姫、もしお前が最初から大人しく株を譲っていれば、今こんなことにはならなかったんだ。この老いぼれの今の状態は全てお前のせいだ!」神城志国は今、怒鳴った。
霧島咲姫はその場に立ちすくんだ。彼の言葉は強引だったが、彼女は認めざるを得なかった。彼の言うことは事実でもあった。もし自分が最初から大人しく株を譲っていれば、お爺ちゃんはここに横たわってはいなかっただろう。
神城志国は続けて言った。「霧島咲姫、お前は万人に唾を吐かれるがいい。お前の息子を無事にしたいなら、みんなに神城家の大爺様を階段から突き落としたのはお前だと言え!」