第354章 まだ復縁できる

「神城連真よ神城連真、お前はどうなんだ、こんなに長く生きてきたのに、自分の息子ほどの手腕もないとは!」揶揄するように言った。

この時、神城連真は顔を引きつらせていた。

このガキ、誰に似てこんな性格になったんだ、自分を脅すなんて!

彼はやはり我慢できず、神城煌に電話をかけ、状況を確かめようとした。

しかし今、神城煌の携帯は電源が切れており、霧島咲姫の携帯も同様だった。

自分の愛する女性と大切な息子が、こうして他の男と旅行に行ってしまったのか?これが広まったら、神城連真はどう顔向けできるだろうか?

神城連真はもはや完全に気が気ではなく、落ち着かなかった。

守屋朝陽は母子二人を連れて飛行機を降り、すぐにホテルに荷物を置きに行った。

三人は意気揚々と海辺にやってきた。

ちょうど黄昏時の絶景で、空と波が互いに輝き合い、とても美しかった。

霧島咲姫は思わず感慨深げに、自分がこんなに静かに美しい景色を楽しみに来たのは、もう随分と長い間なかったと感じた。

神城煌はこの美しい景色にまったく興味がなく、一人で海辺に走って行って砂遊びを始めた。

神城煌の優れた容姿のせいで、多くの若者が彼と写真を撮りに来た。

さらに、ちょうどこの辺りには水着を着たモデルたちもいて、彼らも思わず神城煌に目を向け、一緒に撮影しようと誘いたがった。

霧島咲姫は彼の保護者として、神城煌の同意を得た上で、当然彼を自由にさせた。

守屋朝陽はこの時、霧島咲姫と海辺を歩いており、美男美女の組み合わせは当然多くの人の視線を集めた。

霧島咲姫は目の前の景色を見てリラックスすることだけを考えていたが、守屋朝陽の心はすでに落ち着かなくなっていた。

「咲姫、今日の君は本当に美しいよ!」守屋朝陽は思わず褒めた。

この時、海風が吹き、霧島咲姫の滝のような長い髪を揺らし、彼女の全身から魅力的な輝きが放たれていた。守屋朝陽は目を離すことができなかった。

霧島咲姫は少し頬を赤らめ、「ありがとう!」と言った。

守屋朝陽は実はこの旅行を利用して、特別な告白の儀式を準備していた。あと数時間待てば、目の前の女性は堂々と自分の恋人になるだろう。守屋朝陽はそう考えると、顔の笑みがさらに増した。