第356章 別れを告げる

数人はそれぞれ心に思うところがあり、翌日には島を離れた。

霧島咲姫は神城連真に説得され、煌と共に神城家に戻った。

東條甘音は最近少しずつ東條氏の業務を引き継ぎ始め、神城連真はようやく自分の神城グループの仕事に集中できるようになった。

先日の騒動の余熱がまだ冷めないうちに、二人は記者会見を開いた。

二人が揃うと、記者たちのカメラのシャッター音が鳴り止まなかった。

東條甘音と神城連真は堂々と壇上に上がった。

東條甘音が先に口を開いた。「記者の皆様、個人的な理由により、私と神城グループの神城連真氏はお別れしましたが、友好関係は維持しています。」

記者たちはどよめいた。二人の結婚の日程を聞けると思っていたのに、まさかこのような衝撃的なニュースが飛び出すとは。

この時、記者たちが一斉に前に詰め寄せ、疑問をぶつけ始めた。「神城さん、あなたと元妻の霧島さんが再婚するという噂がありますが、霧島さんが理由で東條さんと別れたのですか？」

東條甘音はすぐにマイクを奪い取った。「はっきり言わせてください。最近、記者の皆さんはどこからそんな噂を拾ってくるのか分かりませんが、神城連真と霧島咲姫は一時的に別れただけです。霧島さんは子供を抱えて大変なのに、あなたたち記者は毎日のように彼女を傷つける言葉を投げかけています。もしあなたの家族がこのような根拠のない言葉で傷つけられたら、あなたは喜びますか？」

その記者は即座に黙り込んだ。

神城連真は東條甘音がこのタイミングで霧島咲姫を擁護するとは思っておらず、心が少し温かくなった。

東條甘音は続けた。「もう一度言いますが、私と神城連真氏は個人的な理由で、お互いが合わないと気づき、関係を終わらせました。他の人とは何の関係もありません。これ以上、変な方向に話を持っていかないでください。いいですか？」

東條甘音は言い終えると、少し怒った様子で会場を後にした。

神城連真はこの時口を開いた。「東條さんの言葉が私の意見でもあります！」

記者たちは今回は何も得られないようだった。東條甘音と神城連真の警告に加え、二人がエンターテイメント業界や金融界でどれほど強力なバックグラウンドを持っているかは誰もが知るところで、変な報道をすれば自分たちが痛い目を見ることは明らかだった。