神城家の大爺様が退院したばかりなので、当然このような危険を冒すわけにはいかない。彼は神城志国の目的が何なのか分からないし、大爺様を危険に晒すことはできない。
最終的に、何度も考えた末、彼は一人で神城志国の言う倉庫に行くことを決めた。
彼は守屋朝陽と朝霧翔真にだけメッセージを送り、それを後ろ盾とした。この二人の霧島咲姫に対する感情を考えれば、もし自分に何かあっても、少なくとも彼らは咲姫に優しくしてくれるだろう。それで十分だった。
神城連真は一人で倉庫に向かい、入口を見つけるのに苦労した。この場所はあまりにも隠れていたからだ。
中に入ると、がらんとした倉庫の中央に二つの椅子があり、気を失った霧島咲姫と神城煌が座っていた。
彼の掌には爪が食い込み、血が滲んでいた。
「神城志国、出てこい!」彼は怒鳴った。