第367章 桐島耀真が怯えた

桐島忠はすでに契約書を用意しており、この時、恭しく契約書を取り出して神城連真にサインさせた。

彼は自分が用意したこの契約書が無駄になることを恐れていた。

神城連真が契約書にサインすると、桐島忠は肩の荷が下りたようだった。

桐島忠は続いて右手を差し出し、「協力関係が順調に進むことを願います!」

神城連真がなかなか手を差し出さないので、自分の気まずさを和らげるため、桐島忠は手を引っ込めて頭の後ろを掻くふりをした。「神城さん、いつかお時間があれば、奥様と一緒に食事でもいかがですか?」

神城連真はこの時も背を向けたまま、「結構です。協力に関して何か問題があれば神城文弥に連絡してください。お帰りください、見送りません!」

桐島耀真はすでに必死で我慢していた。この神城連真は、ただの廃人じゃないか、何を偉そうにしているのか。自分の父親が何を恐れているのか本当に分からない。いつか必ず全てを取り戻してやる。その時は、この父子揃って自分に頭を下げさせてやる。