第379章 ボディーガードが一人増えた

「周防、落ち着け！」菅田剛一はもう力が残っておらず、声を張り上げてこう叫んだ。

周防学信はすでに目を血走らせており、むしろ手の動きを速めた。菅田剛一の顔は血で汚れていた。

菅田剛一はついに怒りを爆発させた。この周防学信は、自分の善意の忠告に値しない奴だ。

彼はすぐに周防学信を抱きかかえ、素早く体を回転させて彼を押さえつけた。

菅田剛一は若い頃、格闘技を少し学んでいた。彼は周防学信のこめかみに強烈な一撃を加え、すぐに彼は気を失った。

桐島詩雲はこの菅田剛一の身のこなしが意外と良いことに驚いた。「菅田剛一、あなたを見くびっていたわ！あなたは三人の中で唯一男らしい人ね！私は後悔したわ。チャンスをあげる。彼を殺して、これからは私について来なさい。どう？」

桐島詩雲のこの言葉は実は心からのものだった。この菅田剛一には何か策略があるように感じていた。命の危機に瀕しても仲間のことを考えられるなんて、命を捨てて義を取る人物だ。

菅田剛一の手は宙に止まった。自分も桐島家を怒らせてしまったのだ。もし桐島詩雲についていけば、きっと自分を粗末に扱うことはないだろう。ただ、この二人の仲間が自分の目の前で死んでしまった。もし承諾しなければ、桐島家は必ず何らかの方法ですべての罪を自分になすりつけるだろう。そうなれば、刑務所で余生を過ごす運命から逃れられない。

それなら承諾した方がましだ！

「いいだろう、承知した！」菅田剛一は頷きながら答えた。

この時、周防学信が目を覚ます様子を見せたので、菅田剛一は素早く近くの短刀を拾い上げ、彼の心臓に強く突き刺した。

久世、これであなたの仇を取ったよ！

これからは、あなたの家族を大切にするよ！

少し離れたところにいたボディガードの一人が、すでにこの一部始終をビデオに記録していた。最初から最後まで桐島詩雲は手を下していないので、桐島家に罪が及ぶことはない。

こうして、菅田剛一は血まみれの体で桐島詩雲についていった。

桐島詩雲は菅田剛一に新しい住まいを用意し、過去のアイデンティティから脱却して自分についてくるよう、他のことは考えないようにと言った。

彼女は家に帰って服を着替え、鏡の前で自分をじっくり眺め、満足のいくメイクをしてから出かけた。

神城グループ。

神城連真はちょうど書類に署名していた。