第392章 東條甘音の策略

東條甘音はちょうど紹介を終えたところだったが、突然話題を変えた。「あれ、下の席にいるのは桐島家の桐島さんじゃありませんか？桐島さんは以前、故意殺人罪で死刑判決を受けたはずですが、どうして今日こんなに堂々と私のパーティーに来られたのでしょう？私は桐島さんをお招きした覚えはないのですが！」

全員の視線が一斉に桐島詩雲に集まった。

彼女はまさか東條甘音がこんな手を使うとは思ってもみなかった。本来ならこのような事件も時間が経てば風化するはずで、加えて父親がその後お金を使ってすべてのニュースを撤回させたので、もうこの件は誰も覚えていないだろうと思っていた。しかし、この忌々しい東條甘音が突然この話題を蒸し返したのだ。

記者たちは狂ったように桐島詩雲を撮影し始めた。

東條甘音は心中大喜びで、マイクを持ち続けて言った。「桐島さん、この広大な西平で、桐島家がこれほど強力な手段を持っているとは思いませんでした。こんな大きな罪状がこんなに簡単に消されるなんて、本当に羨ましいですね！」

全員が東條甘音の言葉の意味を理解した。彼女は明らかに、桐島忠がお金を使って身代わりを見つけ、真犯人の桐島詩雲はいまだに罪を逃れていると皆に伝えていたのだ。

記者たちは彼女を取り囲み始めた。思いがけずさらに衝撃的なニュースが掘り出せるとは、来た甲斐があった。

記者たちはさまざまな質問を投げかけ始めた。「桐島さん、東條甘音さんの言っていることは本当ですか？」

「桐島詩雲さん、あなたは犯人として、こんなに堂々とこのようなパーティーに現れた目的は何ですか？」

「桐島詩雲さん、あなたの父親はこの件を解決するためにいくらお金を使ったのですか？桐島家の目には、人命はそれほど軽いものなのですか？」

「……」

桐島詩雲はさまざまな声に頭を痛め、耳を塞いで、狂ったように現場から逃げ出した。

心の中には限りない憎しみが湧き上がった。東條甘音、絶対に許さないわ！

彼女はすぐにタクシーを拾い、みすぼらしい姿で桐島家に戻った。

パーティーはまだ続いていた。神城連真は心の中で感慨にふけった。東條甘音は本当に大胆すぎる、こんな発言を直接するなんて、自分のパーティーが桐島詩雲によって台無しにされる恐れもないのか、本当に図太い！