408章 ファンクラブ

霧島咲姫は桐島耀真を桐島家まで送り、玄関先で別れた。

桐島耀真は自分の部屋に戻ると、心が乱れていた。なぜ霧島咲姫は自分にこんなに優しいのだろう?

もしかしたら自分の努力がようやく報われ始めたのかもしれない。彼女は自分に少なからず気があるはずだ。林芳乃の件さえ解決すれば、自分は堂々と彼女を追いかける機会を得られるのではないか?

そんなことを考えているうちに、彼は幸せな気持ちで眠りについた。

霧島咲姫が家に着くと、子供たちはすでに寝ていた。神城連真は彼女を脇に引き寄せ、「咲姫、学校から電話があったよ。明日は芸術祭で、各家庭から一人の保護者が参観することになっている。最近会社が忙しいから、君が行ってくれないか?」

彼女は少し驚いた。子供たちが転校したばかりなのに、もう芸術祭をやるのか?