翌日の早朝、霧島咲姫はやはり会社に来ていた。栄麗の件が解決しなければ、自分はアメリカに完全に身を引くことができないのだ。
会社に着いてしばらくすると、東條甘音が駆けつけてきた。
彼女は直接霧島咲姫のオフィスに座り込み、「結、早く、水、水を持ってきて、喉が渇いて死にそう!」
霧島咲姫は思わず不思議そうに尋ねた。「どうしたの?」
結はすぐに水を一杯持ってきて、東條甘音はそれを一気に飲み干した。
彼女はようやく口を開いた。「疲れたわ!ほら、この栄麗は本当に桐島詩雲が仕組んだことよ。桐島詩雲のあの女、今はもうアメリカに逃げてしまったわ。今は彼女にどうすることもできないけど、見て、これが彼女たちの送金記録とチャットの履歴よ!」
霧島咲姫は記録を見て、呆然とした。
「もったいないわね、こんなに才能のあるデザイナーが、どうしてこんなことをして自分の将来を台無しにするのかしら!」
東條甘音は続けた。「もったいないもクソもないわ。私は彼女の家に行ったけど、あの女、自分の家族が死にそうになっていても気にせず、自分は賞金を持って逃げ出したのよ。今どこにいるのか誰も見つけられないわ!」
霧島咲姫は困惑した。彼女はこの事実をあまり信じられなかった!
しかし、彼女は東條甘音の仕事の効率性に感心していた。
そこで彼女はようやく口を開いた。「この件が解明されたなら、あなたが直接資料をメディアに渡してください。私は明日アメリカに行くわ。私がいない間、会社のことは時間があるときに見てくれるようお願いします!」
東條甘音はようやく何か違和感を覚えた。「どうしたの?アメリカに何しに行くの?まさかあの女を自分で捕まえに行くつもりじゃないでしょうね?そんな必要ないわよ!」
彼女は苦笑いした。「違うわ、神城連真を探しに行くの!」
霧島咲姫はこの時、事情を東條甘音に話すしかなかった。
東條甘音は目を丸くして、「わかったわ、約束するわ!」
彼女は自分の会社にも用事があり、早急に事の真相を公表することが急務だったので、すぐに慌ただしく別れを告げて去っていった。
霧島咲姫は結に多くのことを言い付けてから、出発した。
彼女は車を運転し、直接桐島家に停車した。
桐島忠はこの時、居間でお茶を飲んでいたが、霧島咲姫の来訪に驚いた。「霧島さん、どうしてここに?」