すぐに神城連真の婚約パーティーの日が来た。西平では近年まれに見る盛況で、大小さまざまな名門家が競って出席していた。
東條甘音はこの時、霧島咲姫を迎えに行き、パーティー会場へと向かった。
霧島咲姫はとても不思議に思った。東雲先生の婚約パーティーが、東條甘音が自分を連れて行こうとしている場所と同じだなんて。
まあいい、これなら自分も手間が省けるというものだ。
霧島咲姫と東條甘音が共にパーティーに出席すると、多くの記者たちが競って写真を撮った。東條甘音の文化メディア会社はすでに国内市場で一定の地位を確立していたからだ。
そして霧島咲姫のことも、一部のベテラン記者たちは覚えていた。
この時、何人かの記者が直接インタビューに来た。「霧島さん、あなたは3年間姿を消していたそうですが、その3年間どこにいらっしゃったのですか?」
「霧島さん、3年前に神城社長が白川家お嬢様と婚約したことに怒って姿を消したのですか?」
「……」
霧島咲姫は3年前と同じように鋭い質問が自分に浴びせられる感覚が戻ってきたと感じた。
東條甘音はこの時、マイクを取って答えた。「憶測は控えてください。霧島さんはこの3年間、健康上の理由で海外で療養していたのです!」
この答えに記者たちは何も問題を見つけられず、諦めるしかなかった。
霧島咲姫は、パーティーで神城連真に会うことになるとは思ってもみなかった。
彼女は東條甘音に尋ねた。「このパーティーの主役の男性は誰?女性主役から彼に手紙を渡すように頼まれたの!」
東條甘音はこんな偶然があるのかと思った。「えっと、神城連真です!」
霧島咲姫は自分がまた騙されたような気がした!
どうしてこんなことが!
神城連真は口では自分の許しを乞うと言いながら、すぐに別の女性と婚約するつもりだったの?
本当に表裏一体だわ。
しかし、東雲先生から任された任務はやり遂げなければならない。
この時、東條甘音は彼女についてきて、神城連真のそばまで来た。
東條甘音は終始びくびくしていて、二人が何か大事件を起こさないかと心配していた。
霧島咲姫は直接手紙を取り出して言った。「神城社長、あなたの婚約者からこの手紙をお渡しするように言われました!」
彼女は手紙を神城連真の手に押し込むと、立ち去ろうとしたが、東條甘音に止められた。