東條甘音はこの男に対して悪くない印象を持っていて、三人の女性はその時笑い声を上げた。
一行はこうして警察署へ向かった。
一ノ瀬志貴は恨みを抱いていたが、それでも大人しく自分のやったことをすべて白状した。
城之内隼人は共犯者ではあったが、実質的に三人を傷つけるようなことは何もしていなかったため、罰金を支払うだけで済んだ。
しかし一ノ瀬志貴については、関わった金額がかなり多く、名誉毀損も絡んでいた上、霧島咲姫の会社との契約金も半分を着服し、様々な損害を与えたため、賠償金の他に二百万の罰金と八年の有期懲役が言い渡された。
一ノ瀬志貴はその場に立ち尽くした。結局、自分の復讐は果たせず、あっという間に数人の女性たちに真相を突き止められてしまった。罰金など払えるはずもなく、唯一の身寄りである従姉もすでにこの世にいない。自分はせいぜい刑期が延びるだけだ。