第490章 煌が嫉妬する

東條甘音はこの男に対して悪くない印象を持っていて、三人の女性はその時笑い声を上げた。

一行はこうして警察署へ向かった。

一ノ瀬志貴は恨みを抱いていたが、それでも大人しく自分のやったことをすべて白状した。

城之内隼人は共犯者ではあったが、実質的に三人を傷つけるようなことは何もしていなかったため、罰金を支払うだけで済んだ。

しかし一ノ瀬志貴については、関わった金額がかなり多く、名誉毀損も絡んでいた上、霧島咲姫の会社との契約金も半分を着服し、様々な損害を与えたため、賠償金の他に二百万の罰金と八年の有期懲役が言い渡された。

一ノ瀬志貴はその場に立ち尽くした。結局、自分の復讐は果たせず、あっという間に数人の女性たちに真相を突き止められてしまった。罰金など払えるはずもなく、唯一の身寄りである従姉もすでにこの世にいない。自分はせいぜい刑期が延びるだけだ。

彼はまるで死を覚悟したかのように必死にもがきながら言った。「できるものなら俺を殺してみろ、さっさと楽にしてくれ。金はないが、命ならある!」

城之内隼人は彼がこれほど激昂するとは思っていなかった。普段は大人しそうな男だったのに。「志貴、同郷の者として忠告しておくが、お前はまだ若い。八年なんてすぐだ。出所すればまた一人前の男だ。自分がやったことの結末は自分で考えるべきだった。忘れるな、お前の姉さんは少しも冤罪じゃない!」

一ノ瀬志貴は目を真っ赤にして、どこからそんな力が湧いてきたのか、警察官の拘束を振り切って前に飛びかかった。

彼は城之内隼人の腕をつかむと、思い切り噛みついた。

城之内隼人は痛みに顔をゆがめ、必死に振り払おうとしたが離れなかった。「志貴、お前狂ったのか?」

警察官も相当な力を使ってようやく彼を引き離した。

その時、城之内隼人の右腕は血まみれで、袖口から血が流れ落ち、見ていた人々は恐ろしさに息をのんだ。

東條甘音はすぐに口を開いた。「彼の保釈金を払います!急いで病院に連れて行ってください!」

警察署の人々は当然東條甘音のことをよく知っていたので、彼女自ら城之内隼人の保釈を申し出たことに文句をつける理由はなかった。

三人の女性は実際、城之内隼人に対して悪くない印象を持っていたので、すぐに病院へ同行した。