第498章 喧嘩するほど仲がいい

城之内隼人が外から会社に戻ると、ちょうど蘇我詩々とばったり出会った。二人は初対面だったが、お互いの名前は聞いたことがあった。

そのとき、霧島咲姫が二人を自分のオフィスに呼んだ。

「最近、衣類の一式を東條甘音のエンターテイメント会社に届ける必要があるの。二人で一緒に行ってくれる?この荷物はかなり重要で、東條甘音が急いでいるから、今日の午後に届けてくれる?」

城之内隼人はうなずいたが、蘇我詩々は意外にも喜んだ。「咲姫姉、あの大スター東條甘音のことですか?」

霧島咲姫は再び笑みを漏らした。この小娘はいつもこんなに大げさなのだろうか。

城之内隼人は冗談めかして言った。「もちろんそうだよ、私たちの霧島社長の親友だ。君は今まで知らなかったの?」

蘇我詩々は城之内隼人を一瞥した。彼の得意げな顔つきが見ていて不愉快だった。