鈴木音夢はあまりの驚きで呆然としていた。彼女は無意識に後ずさりし、まるで猛獣を見たかのように、「いやです!」と拒否した。
「その若さで嘘をついたな、。懲らしめないと素直になれないぞ、こっちに来い!」
彼女はこの悪魔の厚かましさには呆れた。彼の頭の中には、下半身のことしか考えられないのか?
「まだ来ないのか?もし俺がお前のところに行ったら、お前は三日間ベッドから出られなくしてやるぞ?」
卓田越彦はしばらく待ったが、向こうが動く気配がないと気付き、非常に不機嫌になった。
彼にそう脅されると、鈴木音夢は恐る恐る彼の側に歩み寄った。「いやです、まだ痛いのよ、嘘じゃないから……」
卓田越彦は手を伸ばして彼女を捕まえ、そのままベッドの端に押し付けた。「自分の過ちを、認めるか?」
「はい、認めます」鈴木音夢は彼が本気で自分をベッドに押し付けて、昨夜のようなことをするのではないかと恐れ、考える間もなく急いで頷いた。
卓田越彦は彼女の手を握り、優しそうに彼女の手のひらをもみながら、また質問した。「じゃどんな過ちを犯したのか、答えて見ろ?」
「え?私…私は……」彼がそう尋ねると、鈴木音夢の頭は真っ白になった。
彼女は自分が間違ったことをしたとは到底思えない。そもそも彼自身が変態すぎることが原因だけだ。
「バカな子ね、これからは言うことを聞けよ、俺に口答えするな、分かったか?」卓田越彦は彼女がなかなか答えられないのを見て、彼女の間違いを指摘した。
「はい……」鈴木音夢は黙ったまま歯を食いしばり、彼を噛み殺したい気持ちでいっぱいになった。
「後で谷口先生が薬を持ってくるから、自分でちゃんと塗るんだ、そうすればすぐ治るから」卓田越彦は彼女が反抗するのを心配して、また言いつけた。
鈴木音夢は薬を塗ることを考えると、顔が赤くなった。全て彼のせいだったのに、今さら偽善者のフリするの?
卓田越彦は彼女の返事が聞こえないと、眉をひそめた。「俺の言葉、聞こえなかったのか?それともおじさんが塗ってあげようか?」
「いいえ、結構です、ちゃんと聞こえましたよ。後で自分で塗ります」