第038章 彼の異なる温もり5

鈴木音夢は顔がどんどん熱くなり、さらに痒みも感じていた。特に手で掻きたい衝動に駆られたが、肌を傷つけることを恐れていた。

「おじさま、私の顔が赤くなって、腕にも赤い点々があって、すごく痒いです。」

卓田越彦はそれを聞くと、眉をひそめた。この瞬間に見えないことを悔やんだ。

「我慢しなさい。インターホンを持ってきて。」

音夢は体中が不快で、脇に置いてあったインターホンを彼に渡した。

卓田越彦は2番のボタンを押し、5分後に谷口先生が医療チーム全員を連れてやってきた。

彼は自ら鈴木音夢を診察し、単なるアレルギー反応だと分かった。

先ほどの若旦那の怒鳴り声を聞いた時は、知らない人なら鈴木さんが瀕死の状態だと思うほどだった。

「若旦那様、鈴木さんは午前中に食べたマンゴーとライチによるアレルギー反応です。この二つは熱性の果物で、多く食べると一部の人は簡単にアレルギーを起こします。今から鈴木さんに薬を使い、ネブライザー治療をすれば、すぐに良くなりますので、ご安心ください。」