鈴木音夢は彼が何のためにインターホンを使うのか分からなかったが、それでも立ち上がって素直にインターホンを持ってきた。
1番は林執事、2番は谷口先生のものだった。
卓田越彦はそれを触り、2番を押すと、インターホンは少し躊躇した後に接続された。
谷口先生と医療チーム全員は別棟に住んでおり、24時間体制で卓田越彦の世話をしていた。
若様が真夜中に電話をかけてきたので、谷口先生も心配して「若様、何かありましたか?どこか具合が悪いのですか?」と尋ねた。
「谷口先生、生理痛はどう治すの?」
傍に立っていた鈴木音夢は、卓田越彦のこの質問を聞いて、思わず手を伸ばして彼の口を塞いだ。
この馬鹿者、どうして真夜中に谷口先生を起こして電話をかけ、ただ生理痛の治し方を聞くだけなんて!
ああ、これからこの山荘で、彼女は顔向けできるのだろうか?