卓田越彦はまだ顔を曇らせたままだった。「お前の弟も男だぞ!」
鈴木音夢は怒った。彼はもっと横暴になれるのか?
彼女は自分の人生で唯一の肉親は鈴木世介だと感じていた。彼は彼女の逆鱗だった。
「でも彼は私の実の弟よ。もし彼に何か緊急事態が起きたらどうするの?誓うわ、私は電話番号を弟にだけ教えて、他の人には二度と教えないわ。おじさま、本当にもう二度としないから、あなた...優しくして...」
「お前はまだ素直じゃないな、まだ懲らしめが足りないようだ。今、お前が誰のものか分かったか?ん?まだ他の男に電話番号を教える気か?」
このろくでなし、ベッドの上で彼女を苦しめるのをやめられないのか?
音夢は泣きたくても泣けず、彼の肩をつかんで無力に訴えた。「私は素直よ、もう電話番号を教えたりしないわ、おじさま、助けて!」
卓田越彦は彼女のそんな言葉を聞いて、少し怒りを収めた。「言ってみろ、お前は誰の女だ?」
「おじさま、卓田越彦の女です。」
この夜、歓びは再び訪れた。
情熱が高まった時、鈴木音夢は思わず卓田越彦の肩に噛みついた。
卓田越彦は動きを止め、眉をしかめた。「バカ娘、なぜまた同じ場所を噛むんだ?場所を変えて噛むことを知らないのか?これじゃあ、その歯形はしばらく消えないだろうな。」
鈴木音夢も口の中に濃い血の味を感じ、少し後悔した。「おじさま、私...ごめんなさい、つい我慢できなくて。」
「まあいい、歯形が残るなら残るさ。チビ、これは忘れられない思い出ってことか?これからは覚えておけ、お前が誰のものか!しっかり抱きついてろ...」
激しい情事の後、鈴木音夢は卓田越彦の腕の中でぐったりしていた。
彼女は息も絶え絶えで、指一本動かしたくないほど疲れていた。
彼女はあの血まみれの歯形を見て、それが誰の仕業か、自分が誰の女なのかを思い出させるようだった。
「おじさま、痛くない?明日谷口先生が見たら、私、叱られるかしら?」
そして、彼の体についた引っかき傷は、最初の時と変わらないように見えた。
彼女は今でも覚えている、あの時の谷口先生と林執事の彼女を見る目は、まるで彼女の心を生きたまま切り裂くようだった。
彼らは彼女にそんな力があって、彼らの若旦那を強引に誘ったと思っていたのだ。
「誰がお前を叱るんだ?今回は痛かったか?」