禾木青葉は鈴木音夢が卓田越彦の太ももに座り、熱烈なキスをしているのを見て、目から火が出そうなほど嫉妬していた。
しばらくして、鈴木音夢は卓田越彦から離れ、少し恥ずかしそうに言った。「おじさま、これで満足?」
この小悪魔め、卓田越彦は今すぐ彼女を抱きたいと思った。
彼はインターホンを取り出し、1番のボタンを押した。「すぐに上がってきて、あの分をわきまえない女を追い出せ」
林執事は若旦那の命令を聞いて、分をわきまえない女というのは間違いなく新しく来た教師のことだと思った。
普段、若旦那は鈴木さんをとても可愛がっていて、この屋敷の中で誰を怒らせてもいいが、鈴木さんだけは怒らせてはいけなかった。
若旦那が怒った時も、鈴木さんだけが彼を落ち着かせることができた。
1分後、林執事は二人の屈強なボディガードを連れて上がってきた。
彼は鈴木さんが若旦那の尊い太ももに座り、若旦那の手が彼女の腰に回されているのを見た。
「禾木さん、若旦那の機嫌がまだ良いうちに、早く出て行かれたほうがいいですよ」
禾木青葉はまだ諦めきれず、なぜ卓田越彦が突然自分に対する態度を変えたのか分からなかった。
「卓田さん、私は…」
彼女が言い終わる前に、卓田越彦はすでに忍耐を失っていた。「林おじさん、さっきの指示は明確ではなかったのか?彼女を追い出せ」
「十分明確です、若旦那。ご安心を」林執事は二人のボディガードに目配せし、禾木青葉を部屋から引きずり出した。
林執事は気を利かせてドアに鍵をかけた。あの女は鈴木さんに勉強を教える必要がなければ、以前から若旦那の素顔を見る機会など持てただろうか?
あの女がようやく去り、鈴木音夢はほっとした。
彼女はまだ卓田越彦の太ももに座ったまま、「おじさま、禾木先生はこれで帰っちゃったの?彼女、スタイルいいのに」
卓田越彦の顔が曇った。「じゃあ、おじさまが今から彼女を呼び戻した方がいいのか?たぶん今ならまだ玄関を出たところだろう」
「いやよ、おじさま、間違えました。あの女、ブスだし、全然魅力ないわ。スタイルも私より悪いし」
卓田越彦は彼女の頬をつまんだ。「バカだな。これからも人を家に連れてくるなんてことするか?」
「しません、もう二度と他の女をここに住まわせたりしません」
鈴木音夢はこの一件で学んだので、もうそんな愚かなことはしない。