第099章 逃走2

その粗麻縄はきつく縛られていて、鈴木音夢は歯を食いしばりながら、少しずつゆっくりと切り開いていった。

彼女は鈴木玉子の陰謀を成功させるわけにはいかなかった。彼女はどうしても卓田越彦に会わなければならなかった。

どれくらいの時間が経ったのかわからないが、彼女は一瞬も休まずに切り続けた。時間が少しずつ過ぎていき、ようやくその粗麻縄がほとんど切れかかっているのを感じた。

鈴木音夢の額には、細かい汗の粒がびっしりと浮かび、髪の毛を伝って、彼女の赤く腫れた顔に滴り落ちていた。

鈴木世介と鈴木成典は学校の寮に住んでいて、自分以外に彼女を助けられる人は誰もいなかった。

ついに、鈴木音夢の手の麻縄が切れた。

彼女は急いで足に縛られた縄をほどき、ドアのところまで行ったが、部屋は外から鍵がかけられていた。

彼らは彼女が逃げ出すのを恐れて、ドアに鍵をかけたのだろう。

だめだ、今夜中になんとかしてここから出なければならない。

鈴木音夢は物置部屋を見回し、最後に天井の換気扇に目を留めた。

あの場所が、唯一逃げ出せる場所かもしれない。

それに家の物置は二階にあるので、落ちたとしても死ぬことはないだろう。

叔父さんのために、鈴木音夢は一か八かの賭けに出ることを決めた。

彼女は片側の空き箱を移動させ、物置の山からドライバーを見つけ出し、棚の上に登った。

その古い棚の脚は一本が既に折れていて、今にも崩れそうに見えた。

鈴木音夢は何度も上から落ちそうになったが、幸いなことに、立林絹子の魔の手の下で何年も生きてきた鈴木音夢は弱々しい花ではなく、生命力の強い雑草だった。

彼女は手際よくネジを二つ外し、すぐに換気扇を取り外した。

彼女は換気扇を脇に投げ捨て、体を縮めながら、ゆっくりと外に這い出た。

幸い彼女は太っていなかった。もう少し太っていたら、這い出すことさえできなかっただろう。

彼女の頭が換気扇の穴から外に出たとき、下の高さを見て、思わず震えた。

落ちても死なないとはいえ、障害が残る可能性は十分にあった。

彼女は周囲を観察し、横約半メートルのところに排水管があるのを見て、計画を思いついた。

もし彼女がタイミングよく排水管を掴むことができれば、落ちても死なずに済む可能性がある。