鈴木音夢は場長のあの肥満体を見て、吐き気がさらに強くなった。
彼女はこの頃ずっと環境に馴染めず、胃の調子が悪かった。
彼女は思わず卓田越彦のことを思い出した。彼は自分についてくれば、美味しいものを食べさせてやると言っていた。
あんなにハンサムな叔父さんを選ばずに、肥満体の老人を選ぶなんて、彼女は頭がおかしいのだろうか?
鈴木音夢は骨の髄まで、自分が卓田越彦のものだと認めていた。
だから、彼女は絶対に他の男に自分を触らせるつもりはなかった。死ぬ覚悟でもない限り。
鈴木音夢は口角を少し上げて、「いいわよ、こっちに来なさいよ」と言った。
月明かりの下、美女の一笑みは、まさに魂を奪うようだった。
場長はこの若い女性がこんなに素直に応じるとは思っていなかった。てっきり少し手間がかかると思っていたのに。