小さなお姫様は今日採血をして、すっかり元気がなくなり、話すのも嫌がっていた。
鈴木音夢はそんな様子を見て心が痛み、夜には小さなお姫様が普段一番好きな料理を自ら作った。
夕食の後、鈴木音夢は彼女にお話を聞かせた。
もちろん、普通のおとぎ話なんて小さなお姫様は聞きたがらない。彼女はかっこいいパパの話を聞きたがった。
鈴木音夢がしばらく話すと、小さなお姫様はすぐに眠りについた。
鈴木音夢はベッドに横たわり、思わず卓田越彦のことを思い出した。
手術の後遺症が残っているのかどうか、彼の頭痛は、もう発作が起きないのだろうか?
昨日、杏子がポケットからしわくちゃのお金を取り出すのを見て、彼女はずっと涙をこらえていた。
実は、彼女も叔父さんが恋しかった。
翌日、鈴木音夢は杏子を連れて病院へ行き、検査結果を受け取るつもりだった。