第182章 彼女は彼の肋骨9

諌山雪乃の口元に勝利の笑みが浮かんだ。大奥様の言葉なら、卓田正修でさえ従わなければならない。大奥様が自分を認めてくれさえすれば。

それに加えて、あの「ベッド写真」が公開されれば、卓田越彦は自分と結婚せざるを得なくなるだろう。

「雪乃、あなたは本当にいい子ね。越彦があなたを娶れるなんて、彼の幸せよ」

畑野大奥様は諌山雪乃にとても満足していた。この二年間、彼女は孫の耳元で雪乃のことを言い続けていた。

それなのに、この孫はまるで木のように、何の反応も示さなかった。

「この前、越彦さんがお酒を少し飲んで、私と彼の写真が撮られてしまったんです。おばさま、越彦さんが怒ったらどうしましょう?」

諌山雪乃は可哀想そうな様子を見せ、大奥様の心を痛ませた。

「安心しなさい、おばさまが必ずあなたの味方をするわ。あなたはもう彼のものなのだから、彼があなたと結婚しないなんてことがあるかしら?もし彼があなたを裏切るようなことがあれば、おばさまが真っ先に許さないわ」