鈴木音夢は時間を確認して、「わかったわ、到着したら、今夜うちに食事に来ない?」と言った。
「姉さん、夜は時間があるかどうかわからないよ。会社に戻らなければならないかもしれない。飛行機に乗るところだから、もう話すのはやめておくよ」
「わかったわ、気をつけてね」
鈴木音夢は電話を切り、卓田礼奈を見た。
先ほど鈴木音夢が電話をしている間、卓田礼奈は耳を澄ませて聞いていた。
もし彼が空港から出てきて、彼女が外で待っているのを見たら、驚くだろうか?
鈴木音夢は彼女の表情を見て、眉を少し上げた。「礼奈、お兄さんがチケットを2枚くれたの。今夜オークションがあるんだけど、興味ある?」
「あるわ、お義姉さん、チケットはどこ?」
卓田礼奈はちょうど空港に行く口実を探していたところだった。これで良かった、義姉さんの名目で空港に行けるわ。