第298章 恋愛、公平な競争2

古田静美は歩み寄り、熱心に挨拶した。「ハイ、こんにちは。」

卓田礼奈はここが自分の家だと思いながら立ち上がり、軽く頷いた。「古田さん、どうぞお座りください。」

古田静美は遠慮せず、そのままずけずけと鈴木世介の隣に座った。

「世介、あなたはパソコンの達人だって聞いたわ。私のパソコンが壊れちゃったんだけど、直してくれる?」

卓田礼奈はその「世介」という呼び方を聞いて、唇を噛んだ。彼女はまだ一度も鈴木世介をそんなに親しげに呼んだことがなかった。

鈴木世介は彼女の兄が以前姉を助けてくれたことを思い出し、仕方なく尋ねた。「どんな問題?」

「電源が入らないの。明日持ってきて見てもらえる?」

古田静美はこの口実が本当に素晴らしいと思った。ちょうど彼女のパソコンはここ数日本当に調子が悪かったのだ。