卓田越彦は彼女を壁に押し付け、両手で彼女の肩をつかんだ。「チビ、なぜ最初に私をおじさんと呼んだんだ?私はそんなに老けて見えるのか?」
まあ、彼女にとって自分は少し年上であることは認めざるを得なかった。
いや、年上というより、成熟しているというべきだ。
成熟した男性はもっと需要があるはずだろう?わからないのか?
鈴木音夢は唇を噛み、弱々しく言った。「あの時あなたを見て、とても怖かったから、おじさんと呼べば親しみやすくなって、もしかしたら見逃してくれるかなと思って」
結局、そう呼んでも無駄で、その夜彼に食べられてしまった。
とにかく、あの場面を思い出すと、鈴木音夢は複雑な感情に包まれた。
そういえば、あのシーツはどうなったのだろう。捨てられたのか、それとも彼の金庫に鍵をかけられているのか。
卓田越彦は口角を上げた。時には縁というものは不思議なものだ。
あの頃は、彼の人生で最も暗い時期だった。
彼女に出会う前、卓田越彦は潔癖症で、女性を近づけることはなかった。
「チビ、まずは練習だ。『ダーリン』と呼んでみろ」
鈴木音夢は彼のハンサムな顔を見て、思わず緊張した。緊張のあまり、唇が震え、言葉が出てこなかった。
「おじさま、私...私には言えないわ。結婚してからにしましょう」
鈴木音夢は心の中で不安を感じ、何か落ち着かない気持ちがあった。
思わず手を伸ばして、彼の腰に腕を回した。
卓田越彦は彼女の様子を見て、それ以上は強要しなかった。
しばらくして、彼は彼女を抱き上げ、バスルームに入った。「チビ、一緒に入ろう」
ただ入浴するだけのはずだったが、実際には浴槽で半分洗ったところで、卓田越彦は我慢できず、そのまま浴槽の中で彼女を抱いた。
翌日、鈴木音夢が起きた時、腰はまだ痛かった。
卓田越彦は彼女を会社に行かせず、家で休ませた。彼女は名ばかりの副社長だった。
今はまだヒロインが決まっておらず、正式な撮影開始までにはまだ時間があるので、彼女が行くか行かないかはどうでもよかった。
鈴木音夢はあきらめるしかなかった。どうせ会社は彼のものだし、脇役でも演じられるなら満足だった。
卓田礼奈は学校に戻ったが、一日中頭の中では古田静美が今日鈴木世介のところにパソコンを修理しに行くことを考えていた。