第305章 恋愛、公平な競争9

鈴木音夢は彼の手をしっかりと押さえて動かさないようにした。「おじさま、やめて!」

卓田越彦は何も言わず、片手で彼女の腰を固定し、もう片方の手で彼女の後頭部を押さえ、キスをした。

しばらくして、鈴木音夢は彼の胸元でくずおれた。キスの最中に息継ぎの仕方もよく分からない音夢にとって、どうして卓田越彦の相手ができようか?

彼女は水たまりのようにくずれ落ち、大きく息を切らすことしかできなかった。

卓田越彦は口角を少し上げた。小悪魔め、彼女はまだ自分の手のひらから逃げられると思っているのか?

彼は彼女を一気に抱き上げ、ついでに脇の書類を片側に移動させた。

以前は大きなオフィスデスクを買うことにどんな利点があるのか分からなかったが、今、彼はその利点が数多くあることに気づいた。