第385章 ママの存在を感じる2

卓田越彦と卓田正修は杏子が気を失うのを見て、焦りながら揃って谷口英樹を見つめた。

「口谷さん、杏子はどうしてこんな状態になったの?彼女の体に大きな問題はないって言ったじゃないか?どうして気絶したんだ?」

谷口英樹は考え込むように言った。「さっき杏子が何を言ったか聞いた?杏子は越彦の後ろに誰かがいると言ったよね?」

「そうだよ、杏子の神経に何か問題があるのか?早く彼女をしっかり診てくれ、私にはこの孫娘しかいないんだ。」

「杏子の体には確かに大きな問題はないよ。私が詳しく検査したんだ。体には外傷があるだけで、筋や骨には傷がついていない。ただ爆発の時の衝撃が大きすぎて、彼女の聴覚に影響があるかもしれない。さっき杏子は恐怖の表情をしていたから、もしかしたら彼女は穢れたものを見たのかもしれない。」

そう言って、谷口英樹は杏子の手を取った。彼女の手のひらは明らかに怪我をしていたはずだ。

しかし今は傷跡がまったく見えず、ただ鮮やかな印だけがそこにあった。

卓田越彦と卓田正修も当然その痣に気づいていた。それはずっと前からあったものだ。

「口谷さん、あなたは医師なのに、どうしてそんな科学的根拠のないことを言うんだ?」

谷口英樹は考え込むように言った。「霊族に出会う前なら、もちろんこんな奇妙なことは信じなかっただろう。でも杏子の手の痣を見てごらん、明らかに変化している。だから、時には科学では説明できないこともあるんだ。」

「じゃあ結局何が言いたいんだ?杏子に危険はないのか?」

「私の推測が間違っていなければ、杏子は霊族と関係があるのかもしれない。だから彼女の体に霊族の紋章があるんだ。伝説によると、百年に一人の霊媒巫女は陰陽を理解できるから、杏子はそういうものを見ることができるんだろう。ただ彼女はまだ幼すぎて、体も弱いから、全くコントロールできない。もし彼女を霊族の元に行かせることができれば、すべてが解決するかもしれない。」

卓田正修はそれを聞いて焦りだした。「あなたは一度行ってみたけど、何も得られなかったって言ったじゃないか?じゃあ今うちの杏子はどうすればいい?彼女の体に影響はないのか?」