第397章 災難からの生還3

卓田越彦は思わず冷や汗を拭い、もう一度ベッドに横たわる鈴木音夢を見た。

彼は少しため息をついて、「ダーリン、私たちの娘を見てごらん。やっぱりあなたが目を覚ましたら、彼女の髪を編んであげた方がいいよ」と言った。

杏子はすぐに頷いた。「そうよ、お母さん、早く起きてよ。お父さんが髪を編むと、すごく痛いの」

その時、ベッドに横たわる痩せた女性の指が、かすかに少し動いた。

卓田越彦は杏子の髪を編んでいて、杏子は彼の膝の上に座っていたが、突然お母さんの指が動くのを見た。

「お父さん...お父さん、お母さんの指が動いたみたい」

杏子はじっと見つめていたが、一度動いた後、また動かなくなった。

卓田越彦は杏子の言葉を聞いて、すぐに彼女を床に下ろした。「杏子、本当?ちゃんと見えたの?」