卓田越彦は老人の表情が緊張しているのを見て、卓田家にはまだ彼の知らないものがあるのだろうか?
「お父さん、一体何なんですか?」
「虹色の玉石だ」
卓田越彦は初めて老人の口からこの言葉を聞いた。「それは何ですか?」
「越彦、これは卓田家の各世代の継承者が守るべきものだ。このものは卓田家の命脈に関わる。各世代、卓田家の継承者にのみ伝えられる。本来ならこんなに早く君に教えるつもりはなかったが、今はすでにこの玉石を狙っている者がいる。用心せねばならない」
「この虹色の玉石は一体何の役に立つのですか?」
「私もお前の祖父から聞いただけだ。彼は死の直前になってようやく玉石の存在を私に告げた。実はこの玉石は、卓田家の地下宮殿を開く鍵なんだ。ただ、我々の世代に伝わる頃には、地下宮殿の入口はすでに見つからなくなっていた。私が知っているのは中西南地域にあるということだけだ」