第424章 私を無視しないで2

チビちゃんはお母さんの眉間が寄っているのを見て、「ママ、これ全然痛くないよ。それに、私はとても綺麗だと思うの。他のお友達は持ってないし」と言いました。

鈴木音夢は彼女の頭を軽く撫でました。チビちゃんは普段はやんちゃに見えますが、実は思いやりがあり、心の中ではよく分かっているのです。

「いいわよ、ママが上に連れて行って少し寝かせるわ。子供が寝ないと、背が伸びないわよ」

林柳美はうなずきました。「あなたのお母さんの言う通りよ。音夢、彼女を上に連れて行ってあげて」

杏子に何か特別なことがあるのかどうか、おそらく明日、光恵大師が来てみれば分かるでしょう。

この光恵大師は百仏寺の住職で、以前、老当主が生きていた時に光恵大師と交流があり、卓田家もかなりの寄付をしていました。

それで大師自ら家に来て、杏子に何か問題がないか見てもらえることになったのです。

部屋に戻ると、鈴木音夢は彼女の顔を洗い、一緒に寝ようとしました。

ベッドに横になると、鈴木音夢は思わず彼女の首にかかっている玉の飾りを手に取り、じっくりと見つめました。

この玉の飾りは大師によって開光されたもので、あの「もの」を抑え、杏子が見えないようにするといわれています。

眠りについてから約1時間後、鈴木音夢は起きました。

彼女は軽く咳をしましたが、あまり力を入れる勇気はありませんでした。今はもうずっと良くなっていると感じています。

以前は本当に呼吸するだけでも痛く、咳をすることなど言うまでもありませんでした。

何度か、少し激しく咳をしたときには、血を吐いてしまい、卓田越彦を半死半生に驚かせたこともありました。

これからは、家族全員が無事平安であることだけを願っています。

夕方、ちょうど食事の時間になると、林柳美は卓田礼奈が非常に綺麗に着飾り、出かける準備をしている様子を見ました。

「礼奈、どこに行くの?あと30分もすれば、お兄さんが帰ってきて、みんなで食事をするところよ」

卓田礼奈は近づいて、林柳美の腕を取りました。「ママ、私...私は鈴木世介と一緒に食事をしたいから、家では食べないわ」

言い終わると、彼女は急いで走り去りました。

林柳美は思わずため息をつきました。やはり娘は大きくなると留められないものです。