第449章 こんにちは、卓田夫人3

チビちゃんはすぐに頷いた。「パパもかっこいいね」

「うん、パパとママは今日結婚証明書をもらいに行くから、家でいい子にしていてね」

鈴木音夢は昨晩編んだ赤い紐を持って、彼女を引き寄せた。「杏子、これからこの玉の仏は、絶対に外しちゃダメよ、わかった?」

「ママ、わかったよ」

朝食を食べた後、卓田越彦は鈴木音夢を連れて直接民政局へ向かった。

今日の天気は良く、太陽が高く輝き、民政局の金色の大きな文字に反射して、きらきらと輝いていた。

鈴木音夢の気持ちは、思わず緊張してきた。

車から降りるとき、鈴木音夢は思わず卓田越彦の服の裾をつかんだ。「おじさま、私たち...本当に結婚するの?」

卓田越彦は彼女の緊張した顔を見て、彼女の手を握った。「緊張しないで、私についてくればいいよ。君の人生の後半は、私に任せて、おじさまを信じて」

彼の言葉は、鈴木音夢の不安な心を見事に落ち着かせた。

彼は彼女の手を引いて、車から降り、大股で民政局に入った。

午前中に登録に来る人はそれほど多くなく、卓田越彦が鈴木音夢を連れて民政局に入ると、瞬時にその場にいる全ての人の視線を集めた。

すぐに、その場にいた人々は、これが前回大騒ぎになった主役の鈴木音夢だと気づいた。

もともとは、あのような事件があれば、真実であろうと嘘であろうと、卓田家は彼女を追い出すだろうと思われていた。

しかし、卓田越彦のあの気遣いに満ちた様子を見て、多くの人が羨ましく思った。

鈴木音夢はおぼろげに聞こえた、何人かの女性が傍らで自分の男性を教育していた。

見てよ、あんなにお金持ちなのに、自分の奥さんにあんなに優しいのよ。

すごくかっこいい、本当に思いがけないわ、卓田越彦が本当に彼女と結婚するなんて、幸せそう。

……

卓田越彦はいつも傲慢だったが、今日は彼の顔に笑みが浮かんでいて、周りの人から見ると親しみやすく、とても庶民的に見えた。

家の使用人が後ろで結婚祝いの飴を配っていた。「今日は我が家の若旦那の結婚の良き日です。この結婚祝いの飴を皆さんにお配りします」

そして、民政局全体の人々が、卓田家製の小さな贈り物の箱を手にしていた。

さすが永崎城一の富豪、その結婚祝いの飴や菓子などは、とても精巧に作られており、見ているだけで食べるのがもったいないと思わせた。