第450章 こんにちは、卓田夫人4

群衆がこっそり撮影してネットにアップロードした写真は、ちょうど二人が見つめ合って微笑む姿を捉えていた。

その甘さは、画面越しにも感じられるほどだった。

一瞬のうちに、鈴木音夢は町中で最も羨ましい女性となった。

ネット上では祝福の声が溢れ、まさにシンデレラがお姫様になった典型例だった。

鈴木玉子はこの時、田中久樹の膝の上に座り、ネット上のニュースを見ながら、心に不満を募らせていた。

「あの時、一歩間違わなければ、今頃は卓田家若奥様の座は私のものだったかもしれないのに」

今や、鈴木音夢は栄華を極め、一方自分はまだあの草田天生という老いぼれに仕えなければならない。

彼女の心はますます不均衡になり、自分のすべての不幸は鈴木音夢によって引き起こされたものだと思っていた。

田中久樹は彼女を抱きしめ、最近二人の不倫の回数はますます増え、ますます遠慮がなくなっていた。