翌日、安藤凪は目を覚まして辺りを探しましたが、福井斗真は見つからず、代わりに高橋鐘一を見つけました。
「福井社長からの伝言です。今日は用事があるので、奥様はご自由にお過ごしください。運転手を用意してあります」
安藤凪はしばらく考えてから、福井斗真がいなくても運転手がいれば何とかなると思いました。
階段を上がり、安藤凪は午前中の休暇を取り、わざと濃いメイクをして、階下に降りて運転手を呼びました。
「ちょっと外出するから付き合って」
「どちらへ?」
安藤凪は手にあるカードを振りながら、「お金を使うの、買い物!」
運転手は少し戸惑いました。3年以上、奥様がこんなに濃いメイクをしたのを見たことがなく、ましてや彼を連れて街へ買い物に行くなんて!
「覚えておいて、一番高いものを探して!」