第23章 1億の賭け、あなたは敢えてしますか?

翌日、安藤凪は目を覚まして辺りを探しましたが、福井斗真は見つからず、代わりに高橋鐘一を見つけました。

「福井社長からの伝言です。今日は用事があるので、奥様はご自由にお過ごしください。運転手を用意してあります」

安藤凪はしばらく考えてから、福井斗真がいなくても運転手がいれば何とかなると思いました。

階段を上がり、安藤凪は午前中の休暇を取り、わざと濃いメイクをして、階下に降りて運転手を呼びました。

「ちょっと外出するから付き合って」

「どちらへ?」

安藤凪は手にあるカードを振りながら、「お金を使うの、買い物!」

運転手は少し戸惑いました。3年以上、奥様がこんなに濃いメイクをしたのを見たことがなく、ましてや彼を連れて街へ買い物に行くなんて!

「覚えておいて、一番高いものを探して!」

安藤凪は運転手に微笑みかけ、「行きましょう」

運転手は疑問を抱きながらも、横浜最大のショッピングモールへ車を走らせました。安藤凪も遠慮なく、入るなり何が一番高いかを尋ね、デザインは見ずに価格だけを見ていました。

30分も経たないうちに、約70万円を消費しました。

以前、福井斗真は彼女に100万円をくれましたが、山田嵐母娘に渡した10万円を除いて90万円が残っていました。安藤凪はカードの残高を見て、全く惜しむことなく使い切りました。

運転手は両手に買い物袋を持ち、「これで家に帰りますか、奥様?」

「いいえ」安藤凪はサングラスをかけ、「安藤グループへ行きましょう」

彼女はこの100万円近くを使ったのだから、当然効果がなければなりません。

車が安藤グループのビル前に到着すると、安藤凪は携帯を取り出し、安藤羽音に電話をかけました。「あら、私の可愛い妹、5000万円の稼ぎはどう?私は今安藤グループのビル前にいるわ、たくさんいいものを持ってきたのよ!」

そう言うと、彼女は運転手を連れて堂々と安藤グループに入りました。

「この内装は少し古いわね!」

「この椅子もダメね!」

「これが安藤羽音のオフィス?あまりにもみすぼらしいわ、福井氏とは比べものにならないわね!」

……

安藤羽音はもともと安藤凪に腹を立てていましたが、今彼女が安藤グループに来て、あれこれ荷物を持っているのを見て、さらに怒りが募りました。

安藤凪が手に持っているのは全て今シーズンの新作でした!