第27章 二度と彼女に酒を飲ませない!

「こんなに頼まれたら、断れるわけないだろう?」

福井斗真は口元を少し上げ、強引にもう一度安藤凪にキスをして、しばらくしてから離した。

二人がカフェを出ると、高橋鐘一はすでに車で待っていた。

「帰るぞ」

安藤凪は驚いた。「帰る?仕事は?」

福井斗真は口角を上げた。「お前が言ったんだろう、家でもいいって」

「……」

車は順調に福井家へと戻り、ドアを入るとすぐに福井斗真は安藤凪を抱き上げ、寝室へと直行した。

安藤凪は福井斗真の肩を何度か叩いた。「福井斗真!離して!」

福井斗真は眉を上げた。「後悔したのか?」

「違うわ……」安藤凪は機転を利かせた。「もう少しムードを大事にできないの?」

福井斗真は口角を上げた。「どんなムードがいい?」

安藤凪はリビングのバーを見渡した。「お酒を飲むのはどう?」