第97章 投資

安藤凪はそれを聞いて、無力感を感じながら福井斗真を見つめた。高橋鐘一が傍らに立ち、この光景を見て、突然、社長が福井氏のような泥沼から抜け出したことは、必ずしも悪いことではないと感じた。彼は社長がこれほどリラックスした姿を見たことがなく、まるですべての重荷を下ろしたかのようだった。

……

高橋鐘一という助っ人を得て、福井斗真の計画は前倒しできるようになった。

彼はもちろん、一生安藤凪の影の男でいるつもりはなかった。

今、最初にすべきことは会社を設立することだった。彼は間もなく競売にかけられる東郊三号の土地に目をつけていた。この土地は場所が辺鄙だったが、かつては法外な価格で取引されていた。

それは、かつて誰かが東郊を大々的に開発すると言ったからだが、この計画はずっと保留されたままだった。さらに、東郊三号の土地の近くで江戸時代の貴族の墓が発掘されたことで、この土地の価値は急落し、今では誰も見向きもしない状態だった。