第214章 喧嘩

安藤凪が赤ちゃんを抱いてからまだ1分も経たないうちに、福井斗真は黒糖湯を持って出てきた。その光景を見ると、彼は黒糖湯を脇に置き、急いで赤ちゃんを彼女の腕から受け取った。

「凪ちゃん、赤ちゃんの世話は僕に任せて。この数日はゆっくり休んで、この黒糖湯を飲んでベッドで寝るんだ。資料を読んだけど、この時期は無理をしちゃいけないんだよ」福井斗真は今では赤ちゃんをあやすのが上手くなっていた。

安藤凪は苦笑いを浮かべた。昨日はお腹が痛かったが、今日はずっと楽になっていた。それに彼女は陶器の人形ではなく、これもできない、あれもできないというわけではなかった。

「斗真、もう大分良くなったわ。それに毎日ベッドで何もしないでいると、体が錆びついてしまいそう。私にもできる範囲のことをさせて。赤ちゃんをあやさせてよ」