第232章 解決

早朝、安藤凪は救急車で病院に運ばれた。

幸いにも、診断の結果、安藤凪は過労により体が一時的に耐えられなくなって気を失っただけだと確認された。

「ブドウ糖を点滴して、しばらくゆっくり休ませてください。この期間は、患者の感情の起伏が大きくならないようにするのが一番です。彼女が目覚めれば何も問題ありません。患者さんは出産してからまだ間もないので、普段から気をつけてあげてください。」

医師は福井斗真に丁寧に注意事項を伝えてから立ち去った。

福井斗真はベッドの傍らに座り、目を閉じたままの安藤凪をじっと見つめていた。彼女が病気で倒れたのを見た瞬間、福井斗真は自分の心臓が千の矢に貫かれたような感覚を覚えた。彼は手を伸ばし、安藤凪の横に垂れた手をしっかりと握った。

「凪ちゃん、絶対に何かあってはいけない...ずっとそばにいるからね、凪ちゃん。」福井斗真の低い声には愛情が満ちていた。彼は昨夜も安藤凪と一緒に夜を明かし、目の下には濃い隈ができていた。どれほど疲れていても、安藤凪がまだ意識を取り戻していないことを考えると、とても眠れなかった。