第236章 自分の認識

安藤凪は思いついたことをすぐに行動に移した。

彼女は家の使用人に一言告げると急いで出かけた。高橋鐘一が調べた情報のおかげで、安藤凪は安藤玄が今あるスイーツショップでアルバイトをしていることを知っていた。

安藤玄の養母の家はもともと貧しく、養母の医療費さえ安藤羽音と鈴木湊が支払っていた。横浜に来たとき、安藤玄はわずか二万円しか持っておらず、その金額では繁華な横浜での生活は到底無理だった。

安藤玄は今は住む場所があり、安藤羽音も毎日デリバリーを頼むと言ってくれたが、彼は一人前の男として女性に養ってもらうわけにはいかないと思い、スイーツショップで店員のアルバイトを始めた。

安藤玄はイケメンで、今流行りの「プチ犬系」タイプだったため、彼目当てに来店する客も少なくなく、スイーツショップでの仕事も順調だった。