第306章 株主総会

福井斗真は手を伸ばし、安藤凪の寄せられた眉間を優しく撫でた。「大丈夫、この茶番もすぐに終わるよ。今回は福井グループもある意味得をしたんだ。各社の契約更新がなかっただけでも、合計で2億にも達している。安藤玄の件が明らかになった後、契約を解除した会社は後悔することになるだろう。その時には、契約金額は以前の交渉額とは違ってくるよ」

彼の言葉に、安藤凪は笑顔を見せた。「うん...商売に奸なしという言葉は理由があるのね。ただ、太陽グループは...」

安藤玄のことを思い出し、安藤凪は心配の表情を浮かべた。この期間、安藤玄はずっと会社に来ておらず、太陽グループの責任者は彼に会うことを拒否していたが、それでも彼は毎日出社していた。彼女は安藤玄の自信が傷つくことを恐れていた。一つのプロジェクトのためにそこまでする必要はなく、福井グループは他社と協力せずとも、自社で全自動家具ロボットを研究開発できるのだから、デメリットもあればメリットもある。