その時、福井斗真のオフィスにて。
高橋雅子は興味津々に尋ねた。「福井社長、凪ちゃん、昨日言っていた私に用意してくれた仕事って何?あの、イケメンに会える仕事だって。」
安藤凪は軽く咳をして、戦術的に水を飲んだ。
福井斗真は両手を机に置き、落ち着いた様子で話し始めた。
「最近設立されたばかりの小さなチームなんだ。スペインとの貿易案件があって、先方と連携する必要がある。君にぴったりの仕事だと思う。そのチームのリーダーは若いけどね。」
「大丈夫です。若くても優秀なんですね。そのチームリーダーって、昨日福井社長が言っていたイケメンですか?」高橋雅子は福井斗真の言葉の罠に全く気づかず、正々堂々と言った。
「雅子、あなた自分より年下は好きじゃないって言ってなかった?」
今度は安藤凪が驚く番だった。