第303章 株主

安藤凪は瞳孔を急に縮め、心から四肢へと熱い流れが広がり、顔を真っ赤にして、「弟……あなた……」と言った。

彼女はどもりながら言った。そばにいた福井斗真は、安藤凪を一気に抱き寄せ、眉をひそめて不機嫌そうに安藤玄を見て、「ノックもせずに入ってくるとは」と言った。

この人はまだ逆ギレしている!安藤玄は深く息を吸い込み、歩み寄って姉を後ろに引っ張り、作り笑いで福井斗真を見た。

「福井社長、私はさっき七、八回もノックしましたよ。それに、今は勤務時間中ですよね。ドアを閉めずに姉と抱き合っているのはどうかと思いますが?もし他の人に見られたら、姉がどう思われるか分かりませんよ。福井社長、私はあなたが助けてくれたことには感謝していますが、姉に対する敬意が足りないのではないですか。」