二人は情熱的に約10分間キスを交わした後、やっと離れた。安藤玄は距離が遠すぎて、二人が何を話しているのか聞き取れなかったが、すぐに若い女性は服を整え、急いで立ち去った。
髙田社長は彼女が去っていく後ろ姿をしばらく見つめ、最後に名残惜しそうに視線を戻した。彼がパーティー会場に戻ろうとしたとき、安藤玄が現れて髙田社長を遮った。
突然誰かに遮られた髙田社長は、一瞬ドキッとして自分の秘密がばれたのかと思ったが、目の前に現れたのが安藤玄だと分かると、目に嘲笑の色を浮かべ、気にも留めずに彼を見て言った。
「安藤支配人、何か用かね?契約の件なら、もう話すことはない。この件はこれで終わりだ。私はネット上でも声明を出した。皆がどう思うかは、私にはコントロールできないことだ」
髙田社長のこの無責任な態度に、安藤玄は目を見開いた。