第396章 決定

「お兄さん、あなたがお母さんと母子関係を絶ったからって、私との兄妹関係まで絶つつもりなの？今日は息子さんの百日のお祝いに来ただけなのに、私たちを追い出すの？」

福井佳子は眉をひそめて福井斗真を見つめながら、安藤凪の方向に毒を含んだような視線を一瞬向けたが、すぐに目を逸らした。

「望むなら、今すぐネットで君との関係を絶つというニュースを発表してもいい。それに、母親との母子関係を絶ったということは、すでに君との兄妹関係も絶っているということだ」

福井斗真は冷たい声で、感情を一切込めずに言った。

「お兄さん！」福井佳子は信じられないという表情で福井斗真を見つめた。福井斗真の目には苛立ちの色が浮かび、二人に対して容赦なく言った。「3つ数えるから、彼女を連れて出て行かないなら、今からお前と私の間にはなんの関係もないものとする。1」

福井斗真は言葉を引き伸ばしながら、数え始めた。

福井佳子は福井斗真が本気だと分かり、心の中でどれほど不満があっても、最終的には安藤羽音を連れて出て行った。二人が去った後、リビングの緊張した雰囲気はようやく和らいだ。

皆は福井佳子と安藤羽音のこの小さな出来事を気にかけなかった。安藤凪が振り返ると、饅頭ちゃんがいつの間にか紙切れを握っているのを見て、彼女は少し嬉しそうに言った。「饅頭、いつの間に紙を取ったの？ママに見せて、どんな名前を選んだか」

饅頭ちゃんは手の中の紙切れを安藤凪の前で振った。

安藤凪は紙切れを取って開いてみると、そこには二文字、誠也、福井誠也と書かれていた。

「これからうちの饅頭の正式な名前は誠也よ、福井誠也」

安藤凪はそう言いながら、指で饅頭ちゃんの頬をつついた。

饅頭ちゃんはママが自分と遊んでいると思い、くすくす笑った。

途中で福井佳子と安藤羽音の二人が招かれざる客として現れたことを除けば、饅頭ちゃんの百日のお祝いパーティーは完璧に終わった。ただ、夜寝る時になると、饅頭ちゃんの小さな拳が安藤凪の服をしっかりと握りしめ、誰かがその小さな拳を離そうとすると、彼はわんわん泣き出した。

最終的に安藤凪は心配になり、横で顔を曇らせている福井斗真に言った。「今夜は私が饅頭と一緒に寝るわ、あなたは一人で寝て」