第387章 でたらめを言う

安藤凪は高橋雅子に目配せをした。高橋雅子はすぐに冷たく鼻を鳴らした。「電話を切りたいなら切ればいいわ。確かにあなたの声なんて聞きたくないから」

引き止める言葉を聞けなかった鈴木湊は、宙に浮いたような状態で、進むことも退くこともできず、しばらくしてようやく一歩下がった。「1000万は本当に多すぎる。払えないよ。雅子、もう少し少なければ、歯を食いしばってでも払うけど」

「いいわよ、500万で」高橋雅子は考えることもなく半額にした。

500万…鈴木湊もそれを払いたくなかった。

最終的に二人はお互いに譲歩し、価格は200万に落ち着いた。鈴木湊は心が血を流すような思いだったが、それでも彼女に200万を振り込んだ。この予想外の収入に高橋雅子は目を細めて笑った。

「これで清算ね。これからは何の恨みもないわ。鈴木湊、用がなければ電話を切るわ」高橋雅子は今、自分の口座に新しく入った200万を確認したいだけで、鈴木湊と無駄な言葉を交わす気はまったくなかった。