第418章 何が嘘か

先ほどまで佐藤のお母さんを信じていた警察官たちは、顔色が青くなったり白くなったりし、彼女を見る目にも疑いが満ちていた。佐藤のお母さんは急に背筋を伸ばし、自分の言葉に何の問題もないと思っていた。

「私の怪我は、福井斗真が直接殴ったわけではないけど、彼のせいでできたものよ。彼が息子をそそのかさなければ、息子が私を殴るはずがない!彼こそが元凶なの。あなたたちは彼を逮捕すべきよ。そうしないなら、彼をかばっているだけ!」

「つまり、あなたの怪我はすべて息子さんがつけたものだと認めるんですね?」

記録をとっていた警察官も呆れた表情だった。

佐藤のお母さんはしばらくもごもごした後、最終的にうなずき、首を突き出して強情に強調した。

「とにかく、福井斗真は私たちを不法監禁したのよ!」

「彼はどこであなたたちを不法監禁したのですか?」

警察官は深く息を吸い込んだ。彼らはもう佐藤のお母さんの言葉を信じていなかったが、規則通りに質問を続けた。その質問に佐藤のお母さんは答えに窮した。彼女はある別荘の地下室だということしか知らず、具体的な場所はまったく分からなかった。

「ある別荘の地下室よ」

佐藤のお母さんは歯を食いしばって、その言葉を吐き出した。

警察官は眉をひそめた。「具体的な住所はありますか?」

「私が具体的な住所を知っていたら、あなたたち警察に何の用があるの?そういうことこそ警察が調査すべきでしょう?質問、質問、なぜ私ばかり質問するの?私は被害者よ、犯人じゃない。道路にはたくさんの監視カメラがあるでしょう。あなたたちが調べなさいよ」

佐藤のお母さんは正々堂々と警察官に命令した。

若い警察官の一人が我慢できなくなり、反論しようとしたが、前にいた年配の警察官に止められた。このような人と議論しても無駄だからだ。

「後ほど、福井さんの秘書がいらして対質することになります」

「なぜ秘書なの?福井斗真はなぜ来ないの?分かったわ、彼はきっと後ろめたいのね。私は構わないわ、福井斗真自身に私たちと対質させなさい。そうしないなら、あなたたちが犯人をかばっていると告発するわよ」