第399章 なるほど

「いい考えね。」佐藤暖香は言いながら安藤凪に親指を立てた。

傍らにいた高橋雅子も笑いをこらえながら言った。「悪人には悪人をぶつけるのが一番よ。でも凪ちゃん、誰にその役を演じさせるつもりなの?」

安藤凪の考えはとても単純だった。同じくらい気の強い人を雇って、高橋鐘一の母親のふりをさせ、佐藤のお母さんと口論させるというものだ。結局、佐藤暖香はすでに高橋鐘一と結婚しており、しかもかなりの額の結納金を払って迎えられたのだから、佐藤のお母さんが高橋鐘一の財産に目をつけているのは筋が通らないことだった。

この件が大きくなればなるほど、今後佐藤暖香の母親は便乗して利益を得ようとはしなくなるだろう。

安藤凪はしばらく考えた後、頭の中である人物の姿が浮かんだ。

「小林おばさんはどうかしら?」