第470章 しっかり働く

安藤玄の良い声が響いた。

「ちょっとやってみるよ」

彼はそう言って立ち上がり、姉の腕から饅頭ちゃんを受け取ろうとした。安藤凪は、この二人が自分の息子をおもちゃのように扱っているのを見て、口角が少し痙攣したが、普段は自分がいる限り、息子は他人に抱かれるのを嫌がることを知っていた。

「玄くん、あなた…」

「姉さん、大丈夫だよ。実は僕、経験豊富なんだ。それに饅頭ちゃんはこんなに叔父さんが好きなんだから、きっと叔父さんの顔を立ててくれるよね?」安藤玄はそう言いながら、饅頭ちゃんのぷっくりした頬を優しくつついた。

饅頭ちゃんは不機嫌そうに「あー」と声を上げ、顔を背けて安藤玄を見なかった。

最終的に安藤玄の主張に負けて、安藤凪は饅頭ちゃんを彼に渡した。

しかし安藤凪が意外に思ったのは、饅頭ちゃんが安藤玄に抱かれても泣かず、むしろとても大人しく安藤玄の胸に寄り添っていたことだった。この光景に皆が驚くと同時に、思わず福井斗真の方を見た。