第461章 予期せぬ喜び

別荘の外には庭があり、庭はとても手入れが行き届いていて、左側にはブランコまであった。藤原夕子はブランコを見るなり、嬉しそうに走っていき、藤原朝陽は急いで後を追った。安藤凪は林爽子に申し訳なさそうに微笑んだ。

「うちの旦那が子供のために作ったものです。どうぞ自由に遊んでください。このブランコを気に入ってもらえれば、最大限に活用できますから」と林爽子は手を振りながら言った。

高橋雅子は二人の子供と一緒に遊ぶために下りていった。

安藤凪は林爽子について別荘の中を見学した。別荘の内装はクラシックなカントリースタイルで、非常に温かみがあった。安藤凪は林爽子について別荘を見学しながら尋ねた。

「先ほど追い出された人たちは……」

安藤凪の言葉が終わらないうちに、林爽子は口を尖らせ、嫌悪感を顔に表した。

「ただの厚かましい人たちです。実は安藤社長、うちの家は既に2ヶ月前から売りに出しているんです。この2ヶ月間、見学者は絶えなかったのですが、売れませんでした。私が価格を下げに下げたところ、恥知らずな3人が現れたんです」

彼女は明らかに怒り心頭で、手振りを交えながら説明した。「この3人、入ってくるなり文句ばかり、これもダメ、あれもダメと。最後に私がいくらで買うつもりかと聞いたら、100万だと言ったんです。ふん、100万なんて内装費にもなりませんよ」

林爽子は言い終わると、心の中ではすっきりしたものの、自分が取り乱したことに気づき、恥ずかしそうに安藤凪に微笑んだ。「すみません、あまりにも腹が立って、つい」

「大丈夫です。こんな大きな家に100万というのは確かに無茶な話ですね。でも、こんな素敵な家をなぜ売ることにしたんですか?」安藤凪は不思議そうに尋ねた。彼女が言い終わるや否や、林爽子の目から光が消えるのが見えた。

彼女は悲しげな表情で長いため息をついた。

「息子のためなんです。息子は2ヶ月前に交通事故で亡くなりました。私と夫がここに住んでいると、どこを見ても息子の思い出があって、耐えられなくなったんです。だから家を売ることにしました」

林爽子は話しながら、目に涙を浮かべた。「安藤社長、息子が亡くなったのはこの家からはかなり離れた場所でしたが、もしあなたたちが気にされるなら、それも理解できます」

安藤凪はこんな結果になるとは思ってもみなかった。