第590章 身敗名裂

安藤凪のやり方は、多くの称賛を集めた。

【安藤社長はいつも私たちのことを考えてくれているけど、どうして私はこんなに泣きたくなるんだろう。世界にはこんなにもお金持ちがいるのに、なぜ私がその一人になれないの！私もお金に困っていないと言いたいけど、実際はとても困っている。】

【こう見ると、福井佳子はプレゼントを騙し取っているようにも見えるね。誰か計算した？さっき福井佳子はどれだけのプレゼントを集めたの？】

【多くは言えないけど、百万円は確実にあるでしょう。だって配信ルームにはあんなに多くの人がいたんだから。】

【えっ、百万円？私の人生の貯金が百万円あれば、もう満足なのに。】

……

安藤凪は突然、コメントが結構面白いと感じた。彼女はコメントとやり取りしながら、時間を気にしていた。福井佳子がどれだけの時間我慢できるか、見てみたかった。

福井佳子の配信ルームでは、彼女は画面いっぱいに自分を詐欺師と呼ぶコメントを見て、深く息を吸い込み、「私は詐欺師じゃない。あなたたちが信じてくれなくても仕方ないけど、必ず自分の潔白を証明してみせる」と言い残した。

そう言うと彼女は自分の配信ルームを閉じた。

福井佳子は山田嵐を見て、怒りを抑えきれない様子で言った。「お母さん、言ったでしょう？感情を安定させないといけないって。本来ならもっとお金を集められたのに、これじゃ一回きりのビジネスになっちゃった。もう誰も私たちにプレゼントを送ってくれないわ」

山田嵐は福井斗真が全財産を安藤凪に与えたことにショックを受けていたが、福井佳子の言葉を聞いて急に顔を上げ、目に悪意を宿した。

「冷静になれって？どうやって冷静になれるの？福井斗真のバカ、お金を全部安藤凪に渡すなんて、あれは福井家の代々の財産よ！この家系を滅ぼす奴！安藤凪に渡すくらいなら私にくれた方がマシよ！遺言まで書いてるなんて、さっさと死ねばいいのに！」

これで山田嵐は福井斗真までも憎むようになった。

山田嵐は福井斗真に対してそもそもあまり感情がなく、むしろ恐れていた。結局、福井お爺さんが亡くなった後、山田嵐の小遣いはすべて福井斗真から出ていたのだから。

しかし今や小遣いもなくなり、今後福井斗真から一銭も得られなくなるかもしれない。これは山田嵐にとって小さくない打撃だった。