安藤凪は藤原夕子を連れて幼稚園の先生と別れた後、藤原朝陽の学校に到着したとき、ちょうど藤原朝陽の学校が下校時間で、次々と生徒たちが校門から出てきていた。安藤凪が藤原朝陽を探していると、突然彼女の手が軽く引っ張られた。
彼女が下を向くと、藤原夕子が目をキラキラさせてある方向を見ていることに気づいた。安藤凪が彼女の視線の先を見ると、確かに藤原朝陽がいた。
藤原夕子は安藤凪の手を振り払って兄のところへ走っていこうとしたが、突然自分がまだ藤原朝陽に対して怒っていることを思い出し、その場に立ち止まった。彼女は口を尖らせ、兄を呼ぶこともしなかった。
安藤凪はこの光景を見て少し頭を悩ませた。夕子が意外と根に持つタイプだとは思わなかった。彼女は藤原朝陽が眉をひそめながら、隣にいる少し太めの友達と歩きながら話しているのを見て、思わず口元が緩んだ。どうやら友達ができたようだ。