第062章 待ち伏せ

起きた後。

秋田結は自分のためにブラッドオレンジジュースを絞った。

これは雲井洋治が一番好きな果物で、彼は血を飲むようだと言っていた。

彼が葉都に来たとき、何も持ってこなかった。

ただブラッドオレンジを二箱だけ持ってきた。

さっき彼女が目を覚ますと、雲井洋治からのメッセージがあり、ブラッドオレンジがキッチンにあると教えてくれていた。

バルコニーのハンモックチェアに一人座ってブラッドオレンジジュースを飲みながら、秋田結は昨夜三井忠誠が言ったことをもう一度思い返した。

もう昨夜のように受け入れがたいものではなくなっていた。

おそらくこの数年で経験したことが多すぎたからだろう。

昨夜から今まで、約20時間が経過していた。

彼女はすでに冷静さを取り戻していた。

携帯の画面が点滅した。