起きた後。
秋田結は自分のためにブラッドオレンジジュースを絞った。
これは雲井洋治が一番好きな果物で、彼は血を飲むようだと言っていた。
彼が葉都に来たとき、何も持ってこなかった。
ただブラッドオレンジを二箱だけ持ってきた。
さっき彼女が目を覚ますと、雲井洋治からのメッセージがあり、ブラッドオレンジがキッチンにあると教えてくれていた。
バルコニーのハンモックチェアに一人座ってブラッドオレンジジュースを飲みながら、秋田結は昨夜三井忠誠が言ったことをもう一度思い返した。
もう昨夜のように受け入れがたいものではなくなっていた。
おそらくこの数年で経験したことが多すぎたからだろう。
昨夜から今まで、約20時間が経過していた。
彼女はすでに冷静さを取り戻していた。
携帯の画面が点滅した。